ガム取り清掃と雇用対策

オフィス アコール 代表 新樂 智夫

数年前のこと、路上に噛み捨てられたチュウインガムを踏みつけ、靴底にベットリと張り付いたガムで、非常に不愉快な思いをしたことがあります。また、公園のベンチに座って、そこに張り付いていたガムで、ズボンを1本ダメにしたこともありました。

こんな経験があるためでしょうか、私はいつの間にか吐き捨てガムが気になりはじめ、観察してみると歩道だけでなく、あらゆる公の場や車道にまで広がっている黒い斑点が噛む捨てガムの痕と知って、強く問題意識を持つようになりました。そして最近のガムは靴底に張り付かないようになっていると聞きました。しかし、道路等々が醜い噛み捨てガムで汚されるようでは、張り付かないから良いというものではないと思います。

近年、一部の自治体で、略称“ポイ捨て禁止条例”を制定し、その中に「ガム」を加えたと聞いて大いに期待をしておりました。しかし、煙草の吸い殻は、“禁煙”や“喫煙制限”の声が高まったこともあって減少傾向にありますが、喫煙者が口淋しいことでガムを噛む人が増えたのでしょうか?噛み捨てガムは逆に増加の傾向にあります。

そんなおり、新宿区を中心にしてガム取り清掃に取組んでいるNPO法人環境まちづくりネットに出会いました。そして、体験的にガム取り清掃に参加したところ、荻野善昭理事長が考案したと言うガム取り棒は、立ったまま作業が出来るので腰に負担がかからないので、長時間であっても苦にならないし、作業を円滑に進めるために開発した溶液は、筑波大学と共同で開発したと言うだけあって除菌作用を合わせ持つ優れもので、安心してガム取り作業に取り組むことが出来ます。また、ガム取り清掃には、機械による方法もありますが、燃料や電気、水などを使用するためCO2削減にならず、かえって地球温暖化を進めることになります。

それ故にわたくしは、荻野氏が開発したガム取り棒に取り付かれ、「マイ箸」ならぬ「マイ棒」を持って、時間に余裕があるときは、ガム取り清掃に出来るだけ参加するようにしております。

わたくしが、このガム取り作業を通して感じたことは、公衆衛生面やモラルの問題もありますが、もうひとつは、このガム取り作業を、雇用対策あるいはホームレス対策として取り上げることが出来ないかと言う事です。

ひと昔前までは、不況時の雇用対策として道路工事などの公共事業で対応してきましたが、何でも機械化されている今日では、単純労働の事業がないがため、何処の自治体でもそれへの対策が出来ないで居るのが実情ではないでしょうか。

そこで考えられるのが、雇用対策の一環として、まち美化運動=ガム取り清掃を加えることにするのです。

ガム取り棒とガム取り番は、平成21年度の東京都トライアル発注認定制度に認定されていますので、失業者やホームレスの方々への労働の場(ガム取り清掃)を与えることによって、自立への道筋を与えることが出来る格好の施策だと思うのです。

新樂智夫

新樂 智夫
Sustainable Community Designer
オフィス アコール代表

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